トレドにあるサンタクルス美術館は16世紀にイサベル1世によって作られた病人や孤児のための事前施設だったそうで、現在ではマドリードのプラド美術館の姉妹美術館として「無原罪のお宿り」や「聖母被昇天」などエルグレコの作品22点の所蔵があり、また考古学博物館としてローマ、西ゴート、ムデハル文化の他、伝統的な工芸品の展示もあります。
1階の中庭には美しい回廊があり、その先には企画展示室。
2階にも企画展示スペースと、現代の作家によるギャラリーのような展示も見られました。
盛りだくさんな美術館でした。
この弾の跡はなんでしょうか。。
美術館前からの見晴らし。
ベンチがあったので、ここでアパートで作って持ってきたサンドイッチを食べました。
トレドといえばエルグレコです。
トレドにはエルグレコの住んでいた住居付近に作られたエルグレコ美術館もあります。
マドリードとトレドに来たのだからグレコの復習をしなければいけませんね。
「エルグレコ」とは「ギリシャ人」という意味です。
本名はドメニコス・テオトコプーロス。
スペインに来る前にイタリアにいたため、イタリア語で「ギリシャ人」を意味するグレコにスペイン語の男性定冠詞エルがついた通称です。
出生はギリシャのクレタ島(当時はヴェネツィア共和国の支配下)。
そのためビザンチン美術の影響を受けて育った後、ヴェネツィアでティッツィアーノに弟子入りして色彩や遠近法、解剖学、油彩技法などを習得しました。
イタリアの絵画の主流がヴェネツィアからローマに移ったこともあり30歳でローマに移動、その後でスペインに移りました。
宮廷画家を目指すもその奇抜な構図やデフォルメはフェリペ2世には受け入れられず断念、その代わり、宗教関係者や知識人からは圧倒的な支持を得ていました。
マニエリスムの衰退と共に流行が去るようにグレコの作品も人々の記憶から消えてゆきますが、印象派の画家やピカソによって、その独自性が再評価され今に至ります。
ギャラリーのようなスペースではJUANAN REQUENA展とありました。
光とオブジェ、写真によって、断片をかき集めた記憶の中にいるような展示でした。
一階の中庭の先にも展示スペースがありAlfredo Castañeda展でした。
光が当たるところは暖かいのですが、日陰はちょっと寒い2月のトレドです。
2階には光の画家と呼ばれたソローリャの風景がによる展示もありました。
ソローリャについては、また後ほど、ソローリャ美術館の時に。