ユダヤ人のサムエル ハ レビによって1350年に建てられたムデハル様式のユダヤ教会でトランシト教会。
現在はセファルディ博物館としてユダヤ文化を伝える博物館となっています。
これまでユダヤの会堂に入ったことがなかったので、トレドで記憶に残った建物の一つです。
エルグレコ美術館のすぐ近くのこの場所は、当時ユダヤ人居住区の中心辺りだったそうです。
718年からはじまったキリスト教国家によるイベリア半島の再征服活動レコンキスタ(国土回復運動)の終焉となる1492年に、グラナダを陥落させたたイサベル女王とフェルディナンド5世のカトリック両王によるユダヤ教徒追放運動により、トレドに住んでいたユダヤ教徒はキリスト教への改宗か国外退去のいずれかの選択を迫られ、15万から20万人のユダヤ教徒がイベリア半島を去ったのだそうです。
トレドにおける、キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存し影響しあっていた時代が終わったわけです。
その後、この建物はカソリックの礼拝堂として使われ、現在は国定建築物の博物館となっています。
なかに入るとまずはシンプルで大きな空間でした。
この無機的で静質な雰囲気にしばし呆然としました。
ところどころにヘブライ語が刻まれていますが残念ながら読めないのでわかりません。。
大きな空間の会堂の奥、半地下にはユダヤの衣装などの博物展示がありました。
2階には映像資料などにより、ユダヤの結婚式などを見ることができます。
椅子に腰掛けてゆっくりさせてもらいました。
見終わってから、館内に帽子を忘れてしまったような気がして再入場したのですが、2度とも きちんとした手荷物検査を受けました。