サンセバスチャンには美術館がないから、貴重なアートスポットが入江の先の磯にある地元出身の彫刻家チリーダの作品群。
旧市街とは反対側にあるけど、のんびり歩いて行ってみよう。
旧市街では朝からカーニバルの音が鳴り響いている。
この日は最終日だそうでこれから道路も帰省して大規模なパレードがあるらしい。
旧市街から砂浜を歩く。
半分を超えると、魚釣りしている人たちを目にする。
投げ釣りだね。
砂浜がなくなり堤防になった。
外海が近くなり波も大きくなる。
ここでも釣りしているおじさんがいたから、
釣れた?と聞いたらウンウンと親指を立てた。
ホントに!?と聞いたら、見るか?とリュクサックを指差した。
おじさんの表情があまりに渋かったから、坊主なんだろうと思い込んでいた。
おじさんはリュックを開けて白いビニール袋を取り出した。中には30センチくらいの石鯛と20センチくらいの真鯛が3匹。
スゴイじゃん!今日はごちそうじゃん!と言ったら、まあな、という顔をして魚を仕舞った。
餌はエビらしい。
サンセバスチャンでもエビで鯛を釣る、は 通用するな。
しばらく堤防を歩くと人集りが見えた。
この辺りに、外海からの波を沈める防波堤が海中に沈み海面すれすれの高さで入江に浮かぶ小島まで繋がっていた。こうやって静かな砂浜が作られているんだね。
人集りの下にあったのは穴でした。
堤防に大きな波が来ると、この穴がヒューーーーーという音を鳴らしながらクジラのように潮を吹く。
みんながそれを待っているけどなかなか来ない。
みんなが背中を向けて歩き始めると潮を吹く。
これがチリダの作品。
この過酷な環境によく設置したものだ。
作品と一緒に愛犬をファインダーに収めようとするけど、犬は波を怖がってジリジリと内側に酔ってしまう。
何度も繰り返すけど、なかなか撮れない。
犬のほうが辛抱強くて大人だなぁ。