「ボトルド イン ボンド」というのがアメリカのウイスキーにはあります。
例えばこのジャックダニエル。
右のボトルに書かれている「BOTTLED IN BOND」というのがその印しで、生産者によっては「 BONDED ボンデッド」と書かれています。
左のボトルがスタンダードなのですが、何が違うかといえば度数がちょっと高い。
(...ボトルが大きいのはたまたまです。)
左が40度、右が50度です。
そもそも「ボトルド イン ボンド」というのは、1897年に制定された『ボトルド・イン・ボンド法』のことで、この法律に基づいて作られてますよ、という表記です。
「BONDED」とは保税品とか納税済とかいう意味だと思います。
この法律が制定されてから流通したアメリカのウイスキーは全て「ボンデッド」だったわけです。
この法律は、それまでの粗悪なウイスキーを作っていた生産者に歯止めを掛けて品質を向上させる目的と、税金をしっかり取る2つの目的を果たしました。
なんてこの確定申告からの納税時期にぴったりな話なのでしょう。
粗悪なウイスキーというのは、樽熟成させているように見せる為にタバコやいろんなもので着色したり、利益を増やすために水で薄めたり、体によくないものが入っていたり、という事もあったようです。
そこで、
・1つの蒸留所の1つの蒸留器による1年の蒸留シーズンの製品でなければならない。
・少なくとも4年間、米国政府の監督下にある連邦保税倉庫で熟成されなければならない。
・アルコール度数50度で瓶詰めされていなければならない。
といったことが定められたそうで、今では良質なウイスキーばかりなのでこの法律はなくなり、連邦保税倉庫で熟成させる必要もなくなりました。上記のうちの蒸留と度数についてにのみ沿って作ったものを「ボンデッド」と明記して売られていることが多いと思います。
今ではアルコール度数の主流が40度。
40度のウイスキーをスタンダードとして生産しているメーカーの幾つかが「ボンデッド」も作っています。
ちなみに、オールドエズラや、ベイカーズなどはスタンダードが50度を超えてますから、わざわざボンデッドという表記をつけた製品を作ることはないんじゃないかな。