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店のキッチンの南の扉と北の扉

ウチの照明は全て白熱灯。唯一、店舗厨房だけが例外で、2m×4mのスペースに蛍光灯が6本も入っている。
これを全部点けると、厨房機器が総ステンレスであることも手伝って、実験室さながらの雰囲気になる。通常は半分、3本だけ点けているがそれでも充分な明るさだ。
厨房には北と南に、2つの扉がある。
片方は食材業者さんの搬入口として、もう片方は庭に出る為にある。
南の扉は採風仕様のドアなのだが、北側の搬入用の扉には網戸が付いていないので、これまでは北の扉は閉め切って、昼間でも蛍光灯を点けて作業してきた。
ところが近頃、厨房の温度がぐっと上がりだした。
3つも4つもガスの口を開けっ放しにしているのだから当然、おまけにパスタを茹でる大きな鍋は常時ぐらぐら煮えているのだから湿度も相当なものである。
ふと、蛍光灯を消して、思い切って扉を開放してみた。

それだけのことで、厨房は地味で快適な、私の求めていた空間に変わった。
北の扉を開けると、すうっと風が吹き抜けて、柔らかな光が手元まで届く。まるで絵画の中のようだ。
扉の向こうには、南の陽射しを受けた木々が眩しく揺れている。
砂利道と雑木林があるだけの風景だが、実際以上に奥行きを感じる。
風が通れば音も通る。戸外の明るさに比べればずっと薄暗い厨房で、木の小さな椅子に腰掛けて、鳥のさえずりを聞きながら、ぺティナイフで大蒜やら玉葱やらの皮剥きをしている幸せは恍惚といっていい。
やみつきになってもう、それからは、日が暮れるまで、そうしている。

20040623001.jpg

南の採風ドア

20040623002.jpg

北の扉

早く網戸付けようっと。

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2004年06月23日 15:39に投稿されたエントリーのページです。

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