眩しいくらいの陽射しを浴びる海岸沿いの遊歩道、プロムナード・ドュ・ソレイユ(太陽の散歩道)の先にコクトー美術館がある。17世紀に建てられ廃墟の様になっていた海辺の要塞を、コクトー自身が市長と交渉し、細部に至るまで指示し作られたという彼自身の美術館"Le Bastion"、通称、城塞美術館。
美術館と表記されているし、僕もそう書いたけど、コクトーは美術家という訳ではないと思っている。まず彼は詩人であって、劇作家、小説家、映画監督、評論家、画家でもある彼の表現は全て詩的であり、彼の作ったものは全て ひとつの詩のようだ。この建物のハード、ソフトとも彼の表現であり、この建物が存在することさえ詩的なことに思える。
プロムナード・ドュ・ソレイユから港に向かって歩く道。
道の先に見えるコクトー美術館。
リゾートを想わせるヤシの木の並ぶ遊歩道の先にある城塞。
館内は残念ながら撮影禁止でした。
親切なスタッフが英語かフランス語で館内の展示の概要を説明してくれました。
館内は城塞の石壁を活かしながら近代的にリメイクされています。
館内の石壁に空いた小さな窓からも海が見えます。
波打ち際が岩なので、館内にいても波打つ音が聞こえて心地いいです。
このモザイクはサン・ミシェル教会前の広場や階段にも使われている海岸の小石を使って作られたもの。建物横には"Je reste avec vous."私はあなたたちと共にいる(←かな?)という石碑。パリに疲れマントンに移住しアトリエを構えた彼は、よほどここが好きだったのだろう。
ここから歩いてすぐの場所に2011年にできた新コクトー美術館との共通チケットを購入。
美術館の上から港方向を眺める。
たくさんのクルーザーが泊まっていました。
コクトーが愛したマントンは、ニースやカンヌと等しくリソートとして発展したのだそうだ。