ヴァチカンを無料でみたあとその足で2010年5月にオープンした国立21世紀美術館Museo nazionale delle arti del XXI secolo(MAXXI)に行ってみました。
今度ローマに行くなら是非行っておきたいと思っていた美術館のひとつです。
ヴァチカンの閉館は2時だし、この2つはテルミニからだと同じ方角だからセットで見てしまおうと思ってました。
ヴァチカンから行くには、Ottavianoオッタビアーノ駅まで戻り、その交差点のもう一本北にあるViale delle Milizieという通りに19番のトラムと幾つかの路線のバスが通っています。
19番のトラムで東に向かいMinistero Marinaで2番に乗り換えようと思っていたら19番がなかなか来なかったので、Flaminioフラミニオ駅行きのバスに乗車、駅の手前の停留所がMinistero Marinaだったので降りてトラム2番に乗り換えAppollodoraで下車、歩いて直ぐです。
バスが不安な場合は、地下鉄でオッタビアーノ駅からフラミニオ駅まで行き、駅前近くにあるフラミニオ始発の2番のトラムでAppollodoraまで行くほうが料金は同じだし分かりやすいかもしれません。
僕は地下鉄に乗るより外の景色が見えるほうが好きなのでバスやトラムを選んでますが、本数の少ない日曜は待ち時間を考えたらメトロのほうがいいのかも。
トラムを降り、過ぎ行くトラムを眺めたらVia Guido Reni 通りを左へ進みます。
すぐに見つかります。
敷地内には自由に入れます。お、これはなんぞ。
なるほど、ベストポジションらしい。
ザハ・ハディド設計のMAXXI。
ちいさな子が疾走中ですな。
屋外にも無料でみられる作品が幾つかありました。
所蔵ではなく期間ごとの展示のようです。
中に入るとシンプルだけど建物に合った曲線のレセプション。
ここでチケットを購入しましたが、この美術館はチケットを購入しなくてもカプーアなど一部の所蔵作品などは見られるし、館内のカフェやライブラリーなども使え、Wifiも無料。講演など多目的文化施設としての役割も備えている感じです。
所蔵作品のアニッシュ・カプーア。
カプーアの作品ってほんと世界中の美術館にあるような気がする。
隣に立っているのは、吹き抜けスペースを使って企画展示されていたフランスのHuang Yong Pingの作品のひとつ。最上部はゴロゴロと音を立てながら手持ちマニ車のように回転してました。
この建物に入る前の外観はキューブが交差したイメージを持ったけれど、内部はもっと複雑で、見上げると立体交差した交通網を想わせますね。
自然光と照明と、光を遮らないスキップフロア。コンクリート。
さ、チケットも買ったことだし、展示を見ましょ。
幾つかのギャラリーに分かれていて、まずは1階のギャラリーへ。
Architettura in Uniforme展、面白い展示でした。
第二次世界大戦時とそのあとの建築家やデザイナーの残した仕事から、設計と構築、建築、そしてプロパカンダから戦後の建築ブームという流れのなかでのプレハブとモビリティ、リサイクルと想像した軍事的な技術などをイタリア国内外のものを集められた展示でした。
フェンダーライトのベスパ。
イームズチェアもありましたが、成形合板を使った木製自転車。
コルビジェのロクブリュヌ・カップマルタンの休暇小屋の図面。
僕ははじめて見たのだけど、ドイツのエンジニアMax MengeringhausenのTHE MERO UNIVERSAL CONNECTOR っていうのが面白かったな。飛行機で輸送可能なモジュラーに基づいた金属の構造とあった。中空の鋼管を球形のコネクターで接続して巨大な建設を可能にしている。
MERO
http://de.wikipedia.org/w/index.php?title=Mero&oldid=135320619
接着剤の化学的進歩によって木を接着し積層木材のようにしたというような説明があったコルビジェのMaisons "Murondins"。
たくさんの資料を興味深くみて、2階、次のギャラリーへ。
Unedited History Iran 1960-2014 展
絵画、写真、インスタレーション、雑誌、ポスター、ビデオなどにより断片的な集まりによりイランの歴史と、社会的、政治的なものを見ていく感じ。ちょっと疲れ気味だったので流しました。
この可動壁の作りが面白いな、と。
最上階のギャラリーのドアから出ると、レセプションから続いている吹き抜けのスペースを生かしたHuang Yong Pingの展示が続いていました。
このスペースをいかに活かして展示するかというのが楽しみになっているんでしょうね。
マンハッタンのグッゲンハイムの吹き抜けや、テートモダンの吹き抜けみたいに。
そういえば、フランス人ということで思い出しましたけど、この剥製シリーズのポンピドューにもありましたね。
作品をみているとあまり気になりませんが、この建物、直線が少ない。
そして建物自体が緩やかなL字に曲がってます。
階段で1階までおりまーす。
いやー、よく見た、よく見た、と思っていたら、まだ展示室がありました。
こちらは韓国の若いアーティストによる展示みたいです。
もう1日分のキャパシティーを越えてきたみたいなので、あまり頭を使わずに見ちゃいました(笑
KIm KichulのSound Looking-Rainという作品は吊り下げたスピーカー1つ1つから水滴の音が聞こえて雨になる展示。機械的だけど音がまた美しくもありました。
いやー、朝から夜まで、よく見た、よく見た。
所蔵作品よりも企画で見せていく美術かんですが、展示室が多いのでけっこう量ありますね、さすが国立。
国立の美術館というと地元出身の作家の、というのもありますが、そのあたりに拘らずに現代を見ているのがいいな。ヴェネツィアはビエンナーレもあるけどフランソワ・ピノー氏個人の膨大な現代美術コレクションがあるから別として、古代遺跡多いイタリアのそれもローマで現代美術美術館ができたというのが素晴らしいと思う。
展示のチラシは公式ホームページからダウンロードできますので出かけるまえにダウンロードしてみてもいいですね。
国立21世紀美術館
Museo nazionale delle arti del XXI secolo
http://www.fondazionemaxxi.it/