19世紀、フランスの芸術家たちに愛されたアブサンというお酒がありました。
そのお酒には幻覚作用があるためフランスでは製造販売が禁止となり、アブサンに似せてハーブ(薬草)のお酒が作られました。それが、パスティスPastis、ペルノpernodなどと言った日本では薬草系とかアニス系に分類されるリキュールの幾つかです。パスティスには「似せる、まがい物」という意味があり、ペルノは「似せたもの、代用品」という意味を持つ造語でもあります。
日本のバーでも定番のアイテムですが、アニスやフェンネルの強い独特な香りを持つこれらのお酒は日本人には馴染みがないので爆発的な人気を博することもなく、ある意味ニッチなリキュールと呼べるでしょう。
現在では、アブサンも世界保健機関 (WHO) によるツジョン残存許容量が10ppm以下ならばと定めた基準内で製造が許されておりたくさんの種類のアブサンが作られています。
パスティスにはアブサンのような妖しげな魅力はありませんが、もっと日常的なお酒として今ではアブサンよりもパスティスやアニス酒のほうが多く飲まれています。
ヨーロッパでは、アニスの香りのキャンディもポピュラーですが、やはり日本での反応はいまいち。お土産に買ってくると大好きになる人もいれば罰ゲームアイテムとなることもあります(笑
喉に優しいリコリスキャンディもその類です。
僕はパスティスも、アニスキャンディも大好きです。
「そうだ!アブサンに似せてパスティスができたように、パスティスに似せてハーブティを作ろう!」
今年の初め、僕は1本のアニス酒を持って、那須で自家ハーブ園を持ち多くの飲食店にオリジナルハーブティを卸されているハーブ農家さんの那須高原HERB'sさんを訪れました。
持って行ったお酒は「ペルノpernod」、そして福西英三氏の銘著「リキュールブック」。コンセプトを聞いていただき「このお酒と同じ味のハーブティを作ってください」とお願いしました。
参考文献として本をお預けして、持ってきたペルノの封を開け、テーブルでペルノを水で割り一緒に味見していただき、残りはどうぞ存分にお楽しみください、と置いてきました。
HERB'sさんは丁寧に試作を重ねてくださり、高い再現力でハーブティによるパスティスが完成しました。アニスとフェンネル、シナモンの香り、リキュールを想わせる甘みもハーブで再現されています。
使用したハーブとスパイスが7種類だったので名前は、KARAKARA「No.7」。
原料の種類が増えると価格も上がりますよ、と言われましたが、まずはコンセプトありき、幾つでもとお願いしました。8種類使えば「No.8」にしようと決めていました。
HERB'sさんでパック詰めまでしていただき、タグはカラカラで作りました。
裏面には法で定められた、原料、原産国、賞味期限、製造、販売などの記載。
表面には「似せる、まがい物」と見られそうなシンプルなHelvetica。
ここだけの話、最初は"pastis"ではなく"pernod"にしようと思ったんですが、ペルノーリカールジャパンに問い合わせたところ丁寧に優しくNGでした。商品名ですからね。
価格はナンダカンダで900円です。
カラカラ店頭で販売しております。
カラカラは夜と日曜の昼しかやってないので、那須街道(県道17号)沿いの「遊クラフト」さんでもお取り扱いいただくことになりました。
ありがたや、ありがたや。
カラカラに今あるアブサンやパスティス系のお酒は20種類ちょっと。
それぞれに味わいが異なる個性派集団です。
機会がありましたらこちらもどうぞ。
KARAKARA No.7 #pastis
名称
ハーブティ
原材料と原産国
1、アニス(トルコ)
2、コリアンダー(カナダ)
3、スターアニス(中国)
4、フェンネルシード(インド)
5、シナモン(スリランカ)
6、ステビア(中国またはパラグアイ)
7、ユズピール(日本)
保存方法
高温、多湿、日光を避けて保存してください。
内容量
21g(3g×7袋)
製造元
(株)那須高原HERB's
http://www.n-park.jp
販売者
Bar+Gallery 殻々工房
http://karakara.pepper.jp
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ほとんどスパイスじゃん、と言ったあなた。スルドイ。
ステビアがリーフだからハーブかな。(笑
那須産のものは何も入っておりませんが、那須の空気を吸いながら考えたハーブティです。那須土産にもよろしかったら。