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聖バーフ大聖堂の神秘の子羊

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ゲント(ヘント)での途中下車の目的は聖バーフ大聖堂にあるフーベルト・ファン・エイクとヤン・ファン・エイクの兄弟による「ヘントの祭壇画」を見るため。

今回のベルギーの目的はフランドル絵画とビール。
ブリュッセルではオルタ美術館が休館ということもあって王立美術館しか見られていませんのですっかりビールメインになってしまいましたが(笑

聖バーフ大聖堂はファサード改修工事中でしたが中は通常通り見られました。
撮影禁止なので、写真はありません......ということでwikipediaより拝借。

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ゲント出身のカール5世が洗礼を受けたこのバーフ大聖堂は12世紀から16世紀まで掛かって建てられた教会です。
何と言ってもこの12枚のパネルで構成されている多翼祭壇画の「ヘントの祭壇画」が有名で、その中央のパネルに描かれている「神秘の子羊」を観に多くの人が訪れます。
聖堂内の見学は無料ですが、祭壇画のみ有料で4ユーロ(音声ガイド付)です。
日本語音声もあるのでじっくり解説を聞きながら見ることができました。

12枚のうちの両端にある8枚が畳めるようになっていて裏面にも絵画が描かれています。
2012年からパネル毎に修復が行われていますので、2017年までは完全な形で見ることはできません。修復中のパネルは白黒で描かれたものが嵌められています。

余談ですが、この修復作業中の作品は駅から歩いていける距離にあるゲント美術館で見ることができます。
時間があれば1日に両方見てしまうのも可能です。
僕らはこの後ブルージュに行ってからアントワープに向かうので、この日はじっくりここで過ごし、アントワープに向かう途中でゲントで下車してゲント美術館に行くことにしました。

話を戻して祭壇画を今一度見直します。
フーベルトは1426年に死去とありますから、そのあと祭壇画が公開された1432年5月まではヤンが描いたことになります。初期フランドル派絵画を代表する作品でもあり代表する作家でもあるフーベルトですが、単独で描かれた作品は殆どなくこれはフーベルトを見るという意味でも貴重な一枚です。
またどこをフーベルトが描いて、どこがヤンが描いたのかというところも議論の分かれるところだそうです。

内部のパネル12枚、中央上部には中央にイエス、左にマリア、右にヨハネが描かれています。
マリアとヨハネはわかりますが、言わずもがな、イエスがっぽくない。
これがイエスなのかどうかは議論の分かれるところで、いかにも伝統的なデイシスですからまずはイエスと思いますが、この姿が三位一体とする説もあれば、あの冠はローマ教皇のものとする解釈もあるようです。
マリアの左には合唱の天使、ヨハネの右には奏楽の天使。
形式的に伝統的な形ですが、羽根が描かれていない天使たちで、また合唱する8人の天使はそれぞれに表情豊かで皆んそれぞれに違うパートを歌っているように見え、ある意味現代的なように見えますね。
上部、左右両端にはアダムとイブ。
ヤンによるこの絵画の公開が1432年、フィレンツェのブランカッチ礼拝堂にあるマザッチォのアダムとイブも1420年代というからほぼ同年代。感情を豊かに表したマザッチォに対し、静かに受け止めているような表情を描くエイク、そしてエイクの卓越した写実表現と言うものがこの祭壇画から見て取れますね。
そして何と言っても見入ってしまうのは中央下部の主題、神秘の子羊です。
ヨハネによる福音書に記述がある神の子羊の礼拝が描かれています。
この絵の細密描写がまた凄い。特に近景の植物や人物の描写の細かさはびっくり人間レベルじゃないですかね。
これは家に置いてずっと見ていても飽きないでしょう。いかにもヤンファンエイクと思われる精密な科学的写実表現です。
内容は祭壇の乗せられた凛々しい生贄の子羊と胸の傷から行儀良く流れる血と受け止める杯。
取り囲む14人の天使。それをまた取り囲む人々は幾つかの集団に分かれていて、これは旧約聖書と新約聖書との関係で位置が決められているのだそうです。聖書の内容となると僕にはまだちと分からない。。
子羊の手前には生命の噴水があり、そこにも集団があります。
僕らはこの集団越しに子羊の礼拝を眺めていることになり、まるでこの礼拝に参加した目撃者のような構図を持っている。なんということだ。

聖書の内容にもっと詳しければ、もっと深く楽しめるものなのでしょう。
ちょっと書き疲れちゃったし、今回はここまで。。

ちなみに、扉の裏面には受胎告知や制作依頼主のヨドクス夫妻の姿が描かれていました。

オフシーズンで空いていたのでかなりじっくり見られました。
ゲントに限らず、ベルギーは真冬のオフシーズンに閉めてしまう店が多いようだけど、いいこともありますね。

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2016年06月25日 11:46に投稿されたエントリーのページです。

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