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清野隆 作品展「BARRACK」/ 殻々工房

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殻々工房で開催中の 清野隆 作品展「BARRACK」のご案内です。

清野隆(せいのたかし)さんは那須塩原市在住の作家で、那須の高原エリアと黒磯中心部を繋ぐ鳥の目街道沿いにあるギャラーバーンのオーナーでもあり、今回、殻々工房では初めての個展となります。

ギャラリーバーンのオープンと僕らが那須に越してきたのはほぼ同時期で、それ以来、幾度となくお邪魔させていただき、展示の情報交換などもさせていただいてきました。
清野隆さんは、小さな鳥の工作をしたり、ユニークな野鳥の巣箱、ジョセフコーネルを想わせる詩的な箱のオブジェなど、アイデアを次々に形にされています。

そんな中の1つに"Deserted house series"と題された今回のシリーズがあります。

全て、手のひらに乗るサイズの小さな作品です。
使われている素材は、展覧会などイベント作成されたDMなどのポストカードや段ボール、厚紙などの梱包資材、ストロー、細い針金など。
紙は細くカットし劣化した板のように着彩され、剥がした坂ボールは錆び色で塗られ波板となり、ストローは錆びた煙突のように組立られています。非常に細かな仕事に目を奪われます。

その作品の一部をどうぞ。




↑Click the image to see the enlarged image.

何年か前にギャラリーバーンで展示されているのを拝見し、
捨ててしまうポストカードなどの廃材で、バラックのような廃屋を高い密度で作られていることに感心して、個展のお話をさせていただきました。

今回の展覧会名のBARRACKについては清野さんと話して決めさせていただきましたが、僕の頭の中には、建築家の秋山東一さんのブログで紹介されているBARRACK finder の説明から浮かんできた言葉です。

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[ BARRACK finder ]

「バラック barrack 」って、辞書には「兵舎、兵営」、それ以外に「一時の間に合わせに建てる粗末な家屋」とある。ここでのバラックってのは、もちろん、後者のバラックだ。

それは、それを作る過程、考える過程がその表面に直接表現されているのだ。最終的な形態もなにも意図されていない、そして、そこに在ったであろう材料と、あくまでも即興的に、自由自在、自由闊達な世界があるのだ。あるデザイン的な意図をもって何物かを作ろうとしたのではない。予定調和を目指したものではない。その即興の結果、最終的に辻褄を合わせようともしていない。率直、直裁に必要としている物をつくりだしたのだ。

僕は、バラックは美しいと思う。このバラックから空間構成のレトリック、その手法を学ぼうと思う。

秋山東一 / aki's STOCKTAKING [BARRACK finder]より
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清野さんのバラックはその再現でもあり、また、そこから少し物語の入り口に誘う魅力があります。


ギャラリストが違うギャラリーで展示するわけですが、それはそれ。
今回のシリーズを通して、清野隆さんをギャラリーの器用なオーナーとしてではなく、作家としてきちんと紹介させていただきたく、殻々工房で展示販売させていただいております。
建物の他にも、胸を擽ぐる働く船や、機関車のシリーズも展示しております。
昼は仕事でギャラリーバーンに行けない方も、ぜひこの機会に仕事終わりに清野隆さんの仕事をゆっくりとご鑑賞ください。


これだけ細かな仕事なのにお値段はクリスマスプレゼントのようにお安く、3000円〜5000円くらい。ご自宅用としてだけではなく、ご友人にも家を一軒買ってあげちゃうのはいかがでしょうか!(固定資産税ゼロ)

会期終盤まで展示可能でしたら御売約という形も取らせていただいておりますが、今回、遠方よりお越しの方には作品のお持ちかえりも可能です。
お気軽にお声掛けください。


会期は1月18日(土)まで。
機会が合いましたら、ぜひご来場ください。
※最終週は御売約の方のお持ち帰りが多くなりますので、お早めのご来場がおすすめです。

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2019年12月14日 13:09に投稿されたエントリーのページです。

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