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サンタ マリア グロリオーザ ディ フラーリ聖堂

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美術を見る目的で廻るヴェネツィアの教会のなかで個人的に好きなのがフラーリ聖堂です。
Basilica di Santa Maria Gloriosa dei Frari.


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大きな空間です。
中央に立派な木製の聖歌隊席があるのですが、2分され、正面のティッツィアーノによる祭壇画、聖母被昇天が見えるようになっています。
 

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この聖堂には窓が多く比較的明るいのですが、祭壇の背後からは最も明るく自然光が注ぎます。
ヴェネツィア派の中でも人気のあったティッツィアーノ。兄弟子のジョルジョーネが1510年、師匠のベッリーニが1515年に他界し、それ以降の長い間ヴェネツィア派を牽引する立場となり、この1516から2年間で描かれた祭壇画によって技術的にも第一人者であることを確かなものにしました。
ヨーロッパ各地の権力者は肖像画を描かせるのが好きでしたが、この頃は何と言ってもティッツィアーノが人気だったと本で読んだことがあります。なかなか予約できない肖像画家でもあり、ティッツィアーノに描いてもらうことがステータスだったそうです。
 
  
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縦長の構図が3分され、それぞれの世界が細かに表現されています。
青い衣のマリアを頂点として衣の下の赤と、二人の使徒の赤い服が三角形を作っています。
三角形の頂点の聖母に視線を誘導するために作られた天使とキャンバスの形による円形、そして逆光を使ったコントラスト。
この祭壇画のために練られた構図と高い技術だなぁ。
以前ヴェネツィアに来た時にはスケジュール的に見られなかったので、この場に来ないと見られない絵画でもありますから、ぜひまた見に来たいと思っていました。
 
ここにはティッツィアーノの「聖会話とペーザロ家の寄進者たち」もあり、また、ティッツィアーノはこの教会に埋葬されています。
 
 
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ドナテッロの洗礼者ヨハネ像も見ることができます。
 
 
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中央が木彫による洗礼者ヨハネ。1438年くらいの作品です。
ドナテッロを見るならやはりフェレンツェですが、代表作の1つにパドヴァのガッタメラータ騎馬像があります。今回、パドヴァまで足を伸ばして見に行きましたが、広場の塔の上の高い場所にあって、あまりよく見えませんでした。笑


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これも素晴らしいジョバンニ ベッリーニの聖母子。
このように近づくことはできません。。

この1年くらい僕のiPhoneの待ち受け画面になってます。
 
 
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iPhoneで撮った写真を拡大。
聖ニコラス、ペテロ、マルコ、ベネディトゥスとともにいる聖母子。

ベッリーニも いいよねー。
描写を見ると、真面目で信頼できる人って感じするなぁ(←完全な妄想)。

しかしよく見ると3枚の油絵で構成されてますが、縁取りの装飾を利用し、遠近法を使った騙し絵的に描かれています。中央の聖母子像の上部のドーム天井も絵ですし、人物の背後に装飾と全く同じ柱が描かれているので奥行きを感じますよねー。

今回は写真撮ってないのですが、サンザッカーリア聖堂の祭壇画がまた素晴らしい。
もしベッリーニ好きで、ヴェネツィアの教会廻りをされるのであれば、ぜひフラーリ、ザッカーリア、アカデミアは外せないと思います。
 
このBLOGに、前回撮ったザッカーリア聖堂のメモがありました。
サン・ザッカリア教会 Chiesa di San Zaccaria
http://karakara.pepper.jp/blog/2012/02/post_647.html
 
 
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これはアントニオ カノーヴァの記念碑。
もともとはティッツィアーノの墓のためにカノーヴァがデザインしたものだったそうです。
彼は晩年、生まれ故郷のポッサーニョに「”宗教”の彫像」などの作品や自身の遺体も収める神殿を作ろうして、その膨大な資金を集めるために作品を作っていました。
ルーブルにもある「アムールとプシュケ」(エロスの接吻で目覚めるプシュケ)が有名な優美や甘美を叙情的に表現するバロックな作家でしたが、現代では古典主義へと回帰しようとした新古典主義の作家として知られています。
ヴェネツィアで息絶えたカノーヴァの遺体は、ポッサーニョにある外観的にはローマのパンテオンを思わせるギリシャ神殿のようなカノーヴァ寺院に収められ、心臓だけ、この記念碑に収めらているそうです。
ポッサーニョは冬はちょっと寒そうですが、カノーヴァが好きな人なら行ってみたらカノーヴァ美術館もあるから楽しめそうですね。

Tempio Canoviano
https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Tempio_Canoviano&oldid=751321632

Museum Gipsoteca Antonio Canova
https://www.museocanova.it
 

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これがティッツィアーノの墓です。

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2019年12月28日 00:22に投稿されたエントリーのページです。

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