イタリア3大歌劇場というのがあるらしく、僕はオペラ好きというわけではないのだけど、このナポリのサンカルロ劇場に来たことで3つを制覇したことになったのだ。
その3つとはミラノのスカラ座、ローマのオペラ座、そしてここナポリのサンカルロ劇場。
3つ行ったからといって何てことはありません。
サンカルロ劇場のチケットは劇場のホームページから購入、メールに添付されたEチケットをプリントして持って行くだけ。開演まえにチケットオフィスに行く必要もなし。
外観は修復中で梱包されており正面入り口もよくわからず、ぼくらは裏のチケットオフィスから入ったようでこの写真は終演後の正面玄関から帰るときの様子です。
滞在中の上演スケジュールにオペラがなく、この日はジェフリーテイトのJeffrey Tate / Giuseppe Albaneseと題されたコンサートでした。
白く塗られた壁が美しいです。
いつも通り、最上階の一番安い席を取りました。
でもこの劇場は最上階でもとても見やすかったです。
美しいカーブです。
いい眺め、歌劇場は客席を眺めるものでもありますから、世が世なら僕の席はアリーナよりも良い席........かな。
最上階の安い席でもこのように一列なので、手すりに凭れ掛かりながらみんなが最前列で見られます。
後ろのベンチは荷物置きにしてましたが、大人気の公演だと客席になるんでしょうか。
いつも通りの天井の近さです。
ファブリックな天井で落ち着いた感じ、全体的に愛着の湧きそうな、いい劇場だなぁ、と思いました。
この日、悲しいことに空席が目立ちました。
ナポリはやはり北方に比べて芸術に対しての熱があまり感じられないような気がするな。美術館の集客を見てもそんな気がします。その分、劇場のチケットは取りやすいかと。
この夜のラフマニノフ、パガニーニの主題による狂詩曲の全曲演奏。
旅の疲れもあってか18変奏で涙腺が...........。
終演後、隣に座っていた白髪のおばあさまが帰り支度を整えてから、満足そうな笑みを浮かべながら、ボナセーラ、と。
僕も、笑顔で、ボナセーラ、と交わした挨拶が音楽の余韻と交じりあい心地よかったです。
劇場はたくさんの人と一緒に美しいものを共有する場所なんだな。
サンカルロ劇場からぶらぶら夜の散歩しながらサンタルチアのホテルへ。
いい夜でした。